ロタウイルス感染症
嘔吐・下痢は乳幼児にはごくありふれた症状です。原因はウイルス感染(ロタ、ノロ、アデノ、アストロ、サポウイルスなど)のことが多く、ウイルス性胃腸炎と呼ばれます。大腸菌(O157など)、キヤンピロバクタ-、サルモネラなどの細菌感染でも同様症状がみられ、ウイルスも含めて感染性胃腸炎といわれることもあります。お母さん達が嘔吐・下痢と呼んでいる病状の中には少なからずロタウイルス胃腸炎が含まれていると思われます。
ロタウイルスも多くの血清型にわかれています。A群からG群までありヒトに感染するものはA・B・C群で、なかでもA群が大部分です。A群はさらに表面の糖蛋白の違い(GとP)からさらにいくつかの血清型に分かれてゆきます。ヒトによくみられる血清型はG1P8, G2P4,G3P8,G4P8,G9P8などで最近ではこれらに有効なワクチンが開発され、今年から日本でも利用可能になっています。
潜伏期は2~4日で、糞便に排出されたウイルスを手などを介して、口に運ぶことにより感染が成立(糞口感染)します。また、こども達が触ったおもちゃや机等からもウイルスが検出されていて、これらに接触することからも感染の拡大があると考えられ、幼稚園等集団生活の場で流行しやすい理由になっています。症状は嘔吐・下痢・発熱です。突然嘔吐からはじまることが普通で、嘔吐は2~3日続きます。顔色が普段と同じように赤くなれば嘔吐はおさまります。下痢は遅れて出現、水様で血液が含まれないことが特徴で、5~7日程度続くことが多いようです。回数は1日2~3回から、多いと10回を越えることも少なくありません。経過中に脱水が重症化したり、けいれんをおこしたり、中には脳炎・脳症を合併することがあり、こどもの脳炎・脳症の3大原因(1位:インフルエンザ、2位:ヒトヘルペスウイルス6・7(突発性発疹), 3位:ロタウイルス)の1つに挙げられていますので注意が必要です。
治療はなんといっても脱水が進行しないようにすることです。吐き気止めの坐薬、飲み薬で嘔吐を抑え、水分の補給(経口補液:アクアライト、OS-1等)が大切です。進行した場合は外来での点滴で大部分が入院することなく改善してゆきます。
ポイント:嘔吐・下痢(水様)の原因の多くはウイルス。
使いやすい経口補液や吐き気止めの坐薬等で重症化は少なくなっている。
ロタウイルスの下痢では水様下痢が白くなることがある。
細菌性下痢では血液が混じって粘血下痢便様になることが多い。
ロタリックス等ワクチンを利用することが可能になっている。
[参考]


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潜伏期は2~4日で、糞便に排出されたウイルスを手などを介して、口に運ぶことにより感染が成立(糞口感染)します。また、こども達が触ったおもちゃや机等からもウイルスが検出されていて、これらに接触することからも感染の拡大があると考えられ、幼稚園等集団生活の場で流行しやすい理由になっています。症状は嘔吐・下痢・発熱です。突然嘔吐からはじまることが普通で、嘔吐は2~3日続きます。顔色が普段と同じように赤くなれば嘔吐はおさまります。下痢は遅れて出現、水様で血液が含まれないことが特徴で、5~7日程度続くことが多いようです。回数は1日2~3回から、多いと10回を越えることも少なくありません。経過中に脱水が重症化したり、けいれんをおこしたり、中には脳炎・脳症を合併することがあり、こどもの脳炎・脳症の3大原因(1位:インフルエンザ、2位:ヒトヘルペスウイルス6・7(突発性発疹), 3位:ロタウイルス)の1つに挙げられていますので注意が必要です。

治療はなんといっても脱水が進行しないようにすることです。吐き気止めの坐薬、飲み薬で嘔吐を抑え、水分の補給(経口補液:アクアライト、OS-1等)が大切です。進行した場合は外来での点滴で大部分が入院することなく改善してゆきます。
ポイント:嘔吐・下痢(水様)の原因の多くはウイルス。
使いやすい経口補液や吐き気止めの坐薬等で重症化は少なくなっている。
ロタウイルスの下痢では水様下痢が白くなることがある。
細菌性下痢では血液が混じって粘血下痢便様になることが多い。
ロタリックス等ワクチンを利用することが可能になっている。
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