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風疹

  麻疹と並んでこどもの代表的発疹性疾患のひとつです。過去においては数年に1回程度大流行した疾患ですが、ワクチンの普及によりあまりみられなくなっています。流行時の診断は発疹・発熱・リンパ節の腫脹から容易ですが、散発的に発生するときは誤診しやすいのでその特徴を正確に掴み何例も症例を重ねることが重要と考えています。今年も5月になって関西地方で流行しつつある旨、厚労省より発表があり注意を喚起されているところです。
rubella.jpg風疹ウイルスはヒトだけに感染します。飛沫感染もしくは接触感染で伝播、潜伏期間は14日~21日で、発疹出現数日前から出現後7日が最も感染しやすくなります。感染したウイルスは上気道粘膜や局所のリンパ節で増殖した後、血液に入り親和性のある臓器に運ばれ(1次ウイルス血症)増殖したのち、再度血流に乗って全身に運ばれます(2次ウイルス血症)。症状は全身性の斑丘疹状の発疹(頸部→頭部→体幹→四肢)、発熱(37.5゜C以上)、リンパ節の腫脹(全身とくに耳介項部と頸部に目立つ)が主要な3症状です。発熱は40~60%にみとめられ発疹の消褪とともに3日程度で解熱、比較的軽症の経過で、俗にいう"3日ばしか"の由縁になっています。ほかにも関節痛、倦怠感、眼球結膜の充血、軟口蓋の点状出血粘膜疹、咽頭発赤などがみとめられます。約25%に症状がみられない不顕性感染があると考えられています。
 合併症に血小板減少性紫斑病、風疹脳炎、溶血性貧血心筋炎などがあげられています。妊娠16~20週までの母胎が感染すると胎児感染を引き起こし先天性風疹症候群(眼合併症:白内障、緑内障、網膜症 心疾患:動脈管開存、肺動脈狭窄 聴力障害:高度感音声難聴)を在胎週数に応じて5~50%(妊娠1ヶ月までが最も頻度が高くその後次第に低下)の高率で惹起することが一番の問題になります。予防がなによりも重要で麻疹・風疹ワクチンが徹底するにつれ風疹自体の大きな流行はほとんどみられなくなっています。治療は対症的になります。風疹で重要なのは正確に診断することと、合併症の発生を早期の段階で見逃さないことです。それができれば怖い疾患ではありません。

     ポイント:流行してない時の風疹の診断はほかの発疹と鑑別が難しく間違っている可能性がある。
         発疹の特徴はきれいな印象で3~4日すると跡形もなく消褪する。
         妊娠初期に罹患すると胎児に奇形が出る可能性がきわめて高い。
         予防はワクチン接種。 

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