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食物アレルギ-(1)

 食物アレルギ-は原因食物を摂取した後、免疫学的なメカニズムを介して、生体・患者さんにとって不利益な症状(皮膚・粘膜・消化器・呼吸器・アナフィラキシ-反応など)が惹起される現象をいいます。毒性物質による反応はすべての人におこりうる現象ですが、食物アレルギ-は非毒物性物質による免疫の異常を病因として発症します。食物アレルギ-の概略について、解説します。

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食物アレルギ-病型分類
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原因物質は年齢によって変化します
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アナフィラキシ-の診断基準
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症状の重症度
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アナフィラキシ-治療
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診断と検査治療(海老沢元宏編:食物アレルギ-のすべて.南山堂,2014.)
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食物アレルギ-成立の新しい考え方
食物アレルギ-は皮膚から感作が成立し、アレルギ-食品を少しずつ摂取すると反応がおさえられる(耐性の獲得)。
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治療の新しい根拠(経口免疫療法)
アレルギ-食品を完全に除去し続けると、誤って摂取した時、激しい反応が起き、閾値以下の量で経口でとってゆくと耐性ができ食べられるようになる。
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<食物アレルギ-治療の動向>  これまでは原因と思われる食物(たとえば牛乳・卵・小麦など)の完全な除去、ステロイド軟膏の使用回避等の対応してきたが、大きな成果をあげられず(小学生等てアナフィラキシ-ショックを起こす報告がむしろ増加している)にいました。最近、食物アレルギ-が経皮感作、実は腸管から吸収されて感作されるのではなく、皮膚から吸収されたアレルゲン(原因食物)で感作されるとの報告(身近な例では茶のしずく事件)がなされ、皮膚のバリアとしての機能を整える(保湿・ステロイド軟膏の積極的使用)ことにより感作を減少させ、同時にアレルギ-症状がでない量から原因食物を食べ始めれば食物アレルギ-を克服することができる(経口免疫療法)とする治療法が注目を浴びてきています。免疫のしくみを考えると、また成功例の報告が増えるにつれ、有力になりそうな方向にあります。。
 治療のポイントはステロイド軟膏の使用とスキンケア(炎症を起こし荒れた皮膚をすみやかに改善して正常な皮膚を保つ)と原因食品により症状が出現しない量を決定して、そのさらに少量から始める経口免疫療法にあるようです。




アトピー性皮膚炎

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アナフィラキシ-ショック

 薬剤の副作用・食事アレルギ-等でよく記載されているアナフィラキシ-について解説します。症状の始まりはノドの違和感・咳・かゆみ等のことが多く、その所見が出たら間髪を入れず直ちに処置する必要があります。
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以下の3項目のいずれかに該当すればアナフィラキシ-と診断する。
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アナフィラキシ-
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すでにアナフィラキシ-の可能性(たとえばそば、エビ等食べたあとの運動誘発のアナフィラキシ-など)がわかっている場合は、あらかじめ医師の指導のもとに対策を講じておくことが必要です。
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***日本医師会雑誌より転用しています。

アデノウイルス感染症

 アデノウイルスは聞きなれないかもしれませんが、こどものウイルス感染症のなかでも重要な位置を占めています。プ-ル熱・流行性結膜炎・肺炎・乳幼児下痢症・腸重積症・出血性膀胱炎などの原因としてあげられ、このウイルスを詳しく知っていることはこどもの診療において必須なことと考えています。アデノウイルスは当初、アデノイドから分離されたためこの名前がついています。A~F群に分類され50種類以上の血清型が存在しています。よく検出されるのは1~8型です。アデノウイルスは飛沫感染・糞口感染・接触感染で伝播、5~7日の潜伏期を経て発症します。病型には次のようなものがありますadeno[1]
 1)咽頭結膜熱は3型がもっとも多く4・7・11型も原因になります。発熱・咽頭炎・結膜炎が三主徴で、プ-ルでの感染が多いことからプ-ル熱ともよばれています。初夏から秋口にかけて流行。2)流行性結膜炎は8・19・37型が起因ウイルス、結膜充血・眼脂・眼掻痒感・羞明などが症状で、眼科で使用された器具からの感染も問題にされています。3)急性扁桃炎は特徴的な経過をとります。白色の滲出物(白苔)を伴う発赤した扁桃肥大をみとめ、高熱が3~7日間続き、咽頭痛・全身の倦怠感が強く重症、検査ではCRP(炎症反応)が高値・白血球増多をみとめあたかも細菌性化膿性扁桃腺炎の結果と同様になります。細菌性扁桃腺炎では抗生物質が必須、アデノウイルスによる扁桃腺炎では抗生物質は無効ですので、どちらかを確定診断することはきわめて大切なポイントになります。4)肺炎はアデノウイルス3・7型で惹起されます。発熱や咳で発症しますが、呼吸障害が強く呼吸管理を必要とすることが少なくありません。5)乳児下痢症の糞便から5~9%程度がアデノウイルスが検出されます。血清型は41・42型です。重症な経過は少ないようです。6)腸重積症の患者や虫垂炎の患者からはアデノウイルスが検出され、その関与が示唆されています。7)出血性膀胱炎は突然の血尿・排尿障害・頻尿などて発症、肉眼的な血尿が普通で驚いてしまいますが、アデノウイルス11型との関連が指摘されています。8)急性熱性咽頭炎は熱がおもな症状で、咽頭は発赤、扁桃腺は軽度腫大に止まります。乳幼児に散発、アデノウイルスをチェックすることによって診断が可能です。アデノウイルス1・2・5型まれに3・6・7型が原因になっています。
 このようにアデノウイルスはこどもの様々な疾患の原因になっています。現在、アデノウイルスの迅速診断キットが利用可能なため、比較的速やかに診断することができます。ウイルス感染症と確定すれば、抗生物質を不必要に使用することがなく、経過観察もしくは対症療法にて対応することで治癒をまつことができるため、ウイルスを同定することが何より大切と考えています。

    ポイント:アデノウイルス感染症には多岐にわたる病型がある。
        アデノウイルス感染症の血液検査(CRP、白血球数)デ-タは細菌感染と同様である。
        迅速診断キットで診断を確定すれば、対症療法でよく不要な抗生物質を投与しないで済む。

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