突発性発疹
大多数の赤ちゃんが最初に罹患するウイルス感染症です。最近ではその後も持続的に体内に潜伏して薬疹などにも関係するなど不思議な特徴があることがわかってきています。原因はヒトヘルペスウイルス6・7(HHV-6,HHV-7)です。HHV-6にはさらにvariant AとBがあり、variant Bが突発性発疹の主な病原体と考えられています。またHHV-7も1歳過ぎから4歳までにに罹患、突発性発疹の経過をとります。HHV-6のvariant Aの感染については不明です。HHV-6・7は一度罹患すると終生体内にのこり、唾液や母乳等に分泌されています。そのため母親からの移行抗体(受動免疫)が枯渇する10ヶ月前後に母親もしくは家族から感染、発病します。突発性発疹の患児から感染するわけではありません。
潜伏期は感染の時期がはっきりしないことから確定的ではありませんが、10~14日とされています。突然の高熱(38~40゜C)から3日間程度発熱が続き、多くは4日目に解熱すると同時に発疹が出現、発疹も3~4日で消失します。発疹の形態は丘疹様・紅斑様・斑状丘疹様、顔から体幹さらには四肢等に広がってゆきます。HHV-6に感染しても症状がみられない不顕性感染が30%程度にあり、発熱だけで発疹が出現しないものまたは発疹だけで発熱がないものなど知られていて、突発性発疹の診断に躊躇することがあります。
多くは元気で合併症無く治癒しますが、10%に熱性けいれん、さらには脳炎・脳症にいたるケ-スも散見され問題になっています。これはHHV-6が脳のグリア細胞に親和性を持っていることによります。
HHV-7の感染はHHV-6より遅れて1~4歳のことが多く、したがって2度突発性発疹に罹患ということは不思議なことではありません。 体内に潜伏したHHV-6は免疫状態が低下すると再活性化され造血幹細胞移植後の発疹に関係したり、またこの再活性化が重症薬疹のひとつDIHS(薬剤惹起過敏性症候群)の皮疹や症状の増悪に関係していると考えられています。こどもでみられる薬疹(実際はウイルスの再活性化による発疹が大部分)の多くにも深く関わっていると推察されています。 治療に特別なものはありません。対症的に対応することで十分です。実際にはほとんど何もなく経過するのが普通です。
(アトラスさくま:メディカル情報センタ-、2005.一部改変引用)
ポイント:突発性発疹の経過は高熱の割には軽く、対症療法で十分。
熱性けいれんの頻度が10%程度あり、中には脳炎・脳症に至る者がある。
体内に残って唾液・母乳に分泌される。
赤ちゃんへの感染源は母親か家族と考えられている。
再活性化されて複雑な病態に関与している可能性がある。
![cfb6c6a8[1]](http://blog-imgs-62.fc2.com/n/a/g/nagasawanorio61/20141106193425d13.jpg)
![fd72203e[1]](http://blog-imgs-62.fc2.com/n/a/g/nagasawanorio61/201411061935020b4.jpg)
潜伏期は感染の時期がはっきりしないことから確定的ではありませんが、10~14日とされています。突然の高熱(38~40゜C)から3日間程度発熱が続き、多くは4日目に解熱すると同時に発疹が出現、発疹も3~4日で消失します。発疹の形態は丘疹様・紅斑様・斑状丘疹様、顔から体幹さらには四肢等に広がってゆきます。HHV-6に感染しても症状がみられない不顕性感染が30%程度にあり、発熱だけで発疹が出現しないものまたは発疹だけで発熱がないものなど知られていて、突発性発疹の診断に躊躇することがあります。

多くは元気で合併症無く治癒しますが、10%に熱性けいれん、さらには脳炎・脳症にいたるケ-スも散見され問題になっています。これはHHV-6が脳のグリア細胞に親和性を持っていることによります。

HHV-7の感染はHHV-6より遅れて1~4歳のことが多く、したがって2度突発性発疹に罹患ということは不思議なことではありません。 体内に潜伏したHHV-6は免疫状態が低下すると再活性化され造血幹細胞移植後の発疹に関係したり、またこの再活性化が重症薬疹のひとつDIHS(薬剤惹起過敏性症候群)の皮疹や症状の増悪に関係していると考えられています。こどもでみられる薬疹(実際はウイルスの再活性化による発疹が大部分)の多くにも深く関わっていると推察されています。 治療に特別なものはありません。対症的に対応することで十分です。実際にはほとんど何もなく経過するのが普通です。

ポイント:突発性発疹の経過は高熱の割には軽く、対症療法で十分。
熱性けいれんの頻度が10%程度あり、中には脳炎・脳症に至る者がある。
体内に残って唾液・母乳に分泌される。
赤ちゃんへの感染源は母親か家族と考えられている。
再活性化されて複雑な病態に関与している可能性がある。
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