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ヒトメタニュ-モウイルス(hMPV)感染症

 鼻水・発熱・喘鳴等 RSウイルス(RSV)感染症の症状を呈するのにRSウイルス迅速検査でRSVが検出されない時に、原因として可能性の高いウイルスです。2001年にRSVと同様の症状を呈する小児の鼻咽頭から初めて分離されたウイルスです。2つの亜型(subtypeAとsubtypeB)、さらにsubgroup A1,A2,B1,B2 最近ではA2はA2a、A2bと5つのグル-プに分けられています。冬から春に流行、細気管支炎の患児の約16%から検出されたとの報告があります。飛沫感染から5~6日間の潜伏期を経て発病、発熱・咳、鼻水、喘鳴等の症状が出現、発熱・喘鳴は5日間程度持続、約35%前後が喘息性気管支炎、15%が肺炎に伸展、乳幼児などが重症化しやすいと考えられています。大多数が5歳までに感染、その後も繰り返し感染するものと考えられています。RSV感染症と比べると軽症と考えられていて、肺炎の頻度や入院適応の確率は低くなるようです。
 診断はウイルスもしくは抗体価の上昇を証明することですが、現状の一般外来では困難な状態(迅速検査が利用できるが導入されている医療機関がまだ少ない)で、当科でもこのウイルスの細気管支炎や肺炎をこれまで証明できたことがありませんでしたが、平成25年4月に続けて3例の陽性者(いずれも気管支肺炎)が出てから正確な診断ができるよう留意しています。頻度的には気道感染症の少なくとも3%がhMPVと報告され、なかでも小児の喘息性気管支炎の原因ウイルスとしては、RSV 68%に次いで2番目に挙げられ、実際には外来で診断されないままになっている場合か゛少なくないものと推察されます。疑わしい症状の患児に迅速検査を積極的に施行するにつれ、陽性者が増えて来るものと考えています。
 検査ではCRP 1.3±1.7mg/dl 、白血球数 7、300±3,200、胸部X線写真では肺炎例で気管支周囲の浸潤影または肺胞浸潤影がみとめられています。治療法に決定的なものはなく対症的に対応することにより治癒に導くことが可能になります。
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   ポイント:RSV感染症と同様の症状を呈する。
       春先(4月頃)に流行する。
       RSVの迅速検査に比較して検査を導入する医療機関が少なく見逃されている可能性が高い。
       細気管支炎・肺炎まで進展するものがあり、入院が必要になることもある。 
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